
2025年7月5日 予知夢をもとにした、たつき涼さんの漫画「私の見た未来」が都市伝説で話題になり、多くの人が、その日を意識したのではないでしょうか?
インド占星術でも、2025年7月5日は、試練や困難をもたらすとされる土星やラーフ、ケートゥといった星々の影響が特に強まるとされ、恐れを手放し、生命の輝きを取り戻すシヴァ神の深遠なる祝福が、ひとりひとりの魂を照らす特別な祈りの日として、古来より伝わる聖なる智慧に立ち返り、内なる平和と強さを見出す「偉大なる死の征服者」を意味するマハー・ムリティユンジュヤ(シヴァ神の化身)のマントラ「マハームリティユンジュヤ・マントラ(偉大なる死を克服するマントラ)」を唱え、生命を脅かすあらゆる厄災からの解放、心身の深い癒し、そして魂のカルマの浄化を祈願する儀式がインドで行われました。私たちの内なる最も根本的な「死への恐怖」を取り除き、心を平穏で満たし、究極的には魂を輪廻のサイクルから解放へと導き、内なる強さに向き直り、今ここにある生命を祝福する、というものです。
Shanti i yoga studioでも4日の夜に、インスタグラムのライブ配信でキールタンを歌い、マハームリティユンジュヤ・マントラを唱えました。

そんな予知夢の話題からインスピレーションを受けて、今回は夢の不思議について考察してみました。
夢にはろいろなものがあります。
夢で見たことが現実に起こる予知夢。昔から正夢とも言われますね。
夢のなかで夢だ!と気づく明晰夢。
起きているときに見る白昼夢。白日夢とも言います。
眠っているのに動き出してしまう夢遊病という症状もあります。
また、ひとつの物事に一心不乱に取り組む事を夢中と言います。無我夢中と言ったりしますよね。
他にも、願望実現のことを夢を叶えると言ったりします。
夢って一体何なのでしょうか?
人は人生の3分の1、一生のうち50万回は夢の世界に入ると言います。
動物も夢を見ます。うちのワンコは寝ているとき、夢の中で走っているように手足を動かしたり、寝言で吠えたりします。
夢は視覚の他にも、聴覚、触覚、味覚、運動感覚を伴うこともある、といわれます。
現代科学では、夢とは、睡眠中の「レム催眠」と「ノンレム催眠」という脳の活動の中のレム催眠中の状態で見られる現象だと言います。レム催眠とは、筋肉の緊張がゆるんでいる一方で脳は活発に活動していて、脳波は起きているときに近い状態です。一方のノンレム睡眠は、脳や交感神経、身体も休息している状態です。「脳が休んでいる睡眠」ともいわれます。
夢の根本原因を探求した精神科医のフロイト博士は、夢は無意識の願望が現れたもの、と考えました。無意識的に抑圧された幼児期由来の願望、つまり、この願望と結びついた、起きている時の体験の残滓からなる、夢の潜在的思考が、加工され、歪曲されて現れたものである、と説きました。つまり、子どもの頃の満たされなかった感情、インナーチャイルド(内なる子ども)の表れということです。
一方、夢の機能を探った心理学者のカール・ユング博士は、夢には、意識的な洞察よりも、すぐれた智慧を表す能力がある、とし、人間の無意識のさらに深い領域には、全人類に共有されている集合的無意識があり、古代から継承された宗教や神話が夢という形で現れる、と説きました。集合的無意識とは、個人的体験からではなく、誰からも教えられていないのに、なぜかみんな同じように感じる共通点のこどで、意思や意識の力ではどうにもならず、自然に立ち上がってくるものです。
ユング研究家の故河合隼雄氏は、夢のストーリー性を重視し、ストーリーの変化は心の変化であり、夢分析を重要視しました。夢は潜在意識が見せる心の映像とも言えます。潜在意識とは、過去の経験、体験から無意識に蓄積された価値観や習慣、思い込みから形成されている表に表れていない意識、つまり自覚していない隠された欲望や願望のことです。それは誰にでもあります。
実際には起きているのに、脳は寝ている状態でぼんやりと非現実的な幻想に耽っている状態、デイドリーム、白昼夢は、まさに、この潜在意識の表れです。

古代ギリシャでは、夢は信託である、と言われていました。神や悪魔などの超自然的な存在からのお告げである、と言います。ギリシャの医療施設アスクレペイオンでは、夢を見ることが治療の一環となっていました。
古代バビロニアには夢解釈のテキストがありました。ユダヤ法典には、エルサレムに12人の職業的夢解釈家がいた、と書かれています。
北欧では、白熊の夢は、東方から嵐がやってくる前ぶれだと伝えられています。
ネイティブアメリカンの一部族は、睡眠中に抜けだした魂が実際に経験したことがらが夢として現れる、として、夢を霊的なお告げと捉え、朝起きると、家族で、見た夢の解釈をしあう習慣があります。
古代中国には、占夢や夢から啓示を受ける試みがありました。伝説上の生き物である獏は、人が睡眠中に見る悪夢を食べると伝えられています。
日本においても、最古の正史「日本書紀」に、崇神天皇の御代、疫病や災害が続き、国の半分以上の人口が減ってしまったとき、祈禱や卜占をした後の天皇の夢に「大物主」と名乗る高貴な人が現れ、「私を、私の子孫である大田田根子に祀らせれば国は治まる」と告げ、天皇は大田田根子を探し出し、三輪山に大物主を祀ると、国難は治まった、という逸話があります。
また、平安時代の陰陽師、安倍晴明著作の「神霊感応夢判断秘蔵書」は、日本での夢占いの分野における参考書的存在として用いられています。
民間伝承では、新年の夜に見る初夢で一年の吉凶を占う風習があります。一富士二鷹三茄子と言うのは、日本人なら誰でも知っていますよね。室町時代には、良い夢を見るには、七福神の乗っている宝船の絵に「なかきよの とおのねぶりの みなめざめ なみのりぶねの おとのよきかな(長き夜の 遠の眠りの 皆目覚め 波乗り船の 音の良きかな)」という回り歌(上から詠んでも下から詠んでも同じという回文の歌)を書いたものを枕の下に入れて眠ると良いとされており、これでも悪い夢を見た時は、翌朝、宝船の絵を川に流して縁起直しをする、という風習もありました。

河合隼雄氏の研究では、東西の比較文化を論じて歴史的視点に立ちました。歴史性で明確なのは、まず、夢を得るための祭式的行為である、と言います。「古事記」や「日本書紀」には、神のお告げとしての夢を乞う神聖なる手続きが「神床(かむどこ)に坐しし夜」や「浄沐して祈寐(うけひね)」などの表現で表され、万葉集では、夢で恋人の逢うための「袖返し」や「うけひ寝」などが歌われます。平安時代には、凶夢を見た場合、災いを避けるために夢違(ゆめたがえ)や陰陽師に夢祭を行わせていました。
また、記紀から奈良時代の称徳天皇に至るまで、夢のお告げは、公的国家的な行為決定がなされ、社会的機能として動いていました。夢の中の言葉や、夢を解いた言葉など、あらわれた言葉が重要で神が巫女などにのり移り、その口を借りて告げる神懸りの託宣も同様に扱われました。記紀風土記には、崇神天皇がふたりの皇子に夢を見させ、天皇がこれを解釈して皇位継承権を定めた話もあります。特に、日本で「私の見た未来」が社会現象になったわけも、日本人の夢に対する歴史的視点が影響していたのかもしれませんね。
夢で大発見をしたのは、ロシアの化学者のドミトリ・メンデレーユフで、彼は夢の中で周期律表のヒントを得て、それを完成させた、と言います。周期律とは、元素を子番号の順に並べたとき、 物理 的または 化学 的性質が周期的に変化する性質を周期律といいます。元素の重さや化学反応の性質からグループ分けすることはできたものの、その先のアイデアが足りていなかったのです。そんな中、メンデレーエフは1869年の2月8日にとある夢を見ます。彼はその夢を日記に書いています。
「私はきっちりテーブルに収まった原子表を夢にみた。目覚めた私はすぐにそれを紙に書き出した」今ある周期律表は夢の中で発見されたものなのです。
ドイツの化学者アウグスト・ケクレは、夢の中で蛇が尻尾をくわえて回る夢をヒントに、ベンゼン環を発見しています。ベンゼンは六角形の炭素原子を持つ芳香族炭化水素で、石油化学や工業分野で重要な役割を果たしています。ベンゼン環は、特有の性質を持っています。その一つが「共鳴」と呼ばれる現象です。これは、ベンゼン環の中で炭素原子同士が特に強い結びつきを持ち、それによって分子全体が安定した形を保つことができる、というものです。
他にもアメリカの発明家のエリアス・ハウは夢をヒントにミシンを発明しています。

予知夢と言えば、私も時々、正夢を見ます。長いこと会っていない人が夢に現われた翌日、その人からいきなりコンタクトがあったり、行ったことのない場所にいる夢を見た数日後に、偶然その場所に行くことになったり、南の島で気持ちよくボディ・サーフィンしていたら、大津波になって、夢の中でヤシの木が海に飲まれていく映像がやけに記憶に残っていたのですが、数日後にスマトラ沖大地震が起きて、実際にヤシの木が津波に飲み込まれる映像をテレビで見てドキドキしていました。関西の震災の数日前にも、嵐が来て家の中のあちこちの蛇口から水があふれ、コンロの火がついて燃え出して、夢の中でシヴァ神が来た!と思っていて祈ってる夢を見ました。度々そういった夢を見るので夢日記を付けていた時期もありました。
夢日記をつけて気づいたのは、よく同じ女性が夢に出てきて、はっきりとしたで言葉で、私に何かメッセージを送ってくる、ということでした。私は勝手に守護天使と思っていますが、あれは誰なのか?今でもよくわかりません。
夢日記を付けていた時期は、明晰夢もよく見ていました。明晰夢とは、夢の中で夢を自覚している現象で、レム睡眠中に起こる、と言われています。スタンフォード大学の明晰夢の研究者で精神生理学者のスティーブン・ラバージ博士は「夢見の技法」の著作の中で、明晰夢の多くは明け方のまどろみの状態、つまり夢を見ているけれど、意識は覚醒した状態のときに、夢と現実のはざまで起こると言っています。たしかに私の場合も、朝がたに見ることが多く、はじめは夢の世界で何かをしているのだけれど、途中から「ああ、これは夢だ~」とはっきり気づくのですが、また夢の世界にまどろんでいくのです。
チベット密教には、ナーローの六ヨーガの修行法のひとつ「夢のヨーガ」というものがあります。夢のヨーガは明晰夢を利用し、神に変身したり、大きくなったり、小さくなったり、夢を操作し、世界はすべて幻影であり、自在に操ることができる、という理解を増していくもので、明晰夢を見る方法としては、喉に梵字や蓮の花をイメージすると、経典に書かれています。

インド・ヨーガの経典パタンジャリの「ヨーガ・スートラ」にも「心の安定は、夢や睡眠を瞑想の対象にすることで得られる。」とあります。
ヨーガ・スートラによれば、夢には2種類あり、記憶によって生じる夢と、祈願によって育まれた大願から生じる夢がある、と言います。前者は過去の視覚聴覚的経験や精神的・情緒的な経験をもとに、欲望や他の精神作用から生じる夢。ドーシャのバランスの崩れから生じる夢のことです。つまり、フロイトの言う潜在意識の願望から生じる夢のことです。ドーシャとは生命エネルギーのことですから、ドーシャのバランスの崩れというのは、病気のことですね。そして後者は、神仏に祈りを捧げ、願いを届けた時に見る夢のことで、未来の可能性から生じる夢、つまり予知夢のことと言えます。
日本の僧も寺に籠って夢を待つ、という逸話が多くあります。石山寺縁起絵巻には、寺の籠った僧が、夢の中で蓮の花の上の観音さまから如意宝珠を授けられているものがありますし、明恵上人には、夢の中にインドの僧が現れて疑問に答えてくれるという逸話があります。また、親鸞は六角堂で夢を待ち、法然に弟子入りした、と伝えられています。聖徳太子もまた、法華義疏(ほっけぎしょ/法華経の注釈書)を作成中に、夢に現れた「金人(きんじん)」に教えを授かったという伝説があり、金人とは釈尊(仏陀)、もしくは金色の仏像、または金色の人の像を指し、 この故事により、完成したこの堂に「夢殿」という名前を付したとのことです。
古代中国の思想書「荘子」に「胡蝶の夢」という説話があります。夢の中で蝶としてひらひらと飛んでいたところ、目が覚めたが、はたして自分は蝶になった夢を見ていたのか?それとも実は、夢で見た蝶が見ている夢なのか?というもので、夢の中の自分が現実か?現実の自分が夢なのか?という、夢と現実とがはっきり区別できないこと、また、その区別を超越できないことの例えとされています。

まさに、マトリックスの世界感ですよね。ちなみに、マトリックスとは母胎のことで、密教で説かれる胎蔵界を意味します。密教では宇宙法界のすべてが大日如来のあらわれであると考え、それを金剛界と胎蔵界の両界に分けて説明します。大日如来の智徳・差別を表わす金剛界に対して、胎蔵界は理性・平等を示します。胎児が母胎の中にあって、母親が胎児を慈しみ育てるように、仏が私達衆生の心の中に本来具わる仏性(菩提心)を育て、悟りの世界へ導いてゆく様子を表しています。量子論的思考法の特徴は、ひとつひとつの数を足したり引いたりするのではなく、総体で動き変化していく数の配置全体に意味を見出すことです。つまり総体として変化していくものがマトリックス。文化人類学者の中沢新一氏は、故河合隼雄氏との対談で「仏教は同じことを曼陀羅というかたちで表現している」と話しています。
そして、ヨーガ哲学的にも同じことが言えます。私たちが現実だと思っている世界は、実はマーヤ(幻想、幻影)である、と説きます。マーヤとは、心が映し出す世界です。心は常に五感に振り回されます。つまり、怒りや悲しみ、あるいは喜びや嫉妬など、心の働きは思考が生み出す幻想と言えます。私たちは現実を見て、映画の主人公になりきって感情移入しているだけなのです。自分の本質を知ることこそがヨーガの本来の目的です。これをヨーガでは真我と呼びます。真我とは揺るぎないもの、永遠に変わることのないもの。私たちが体験している現実の世界は、夢のように一時的に変化していく、という真我の幻影に過ぎないのです。
夢を追いかけて生きていく、ということは、いつまでも夢の世界をさまよう夢遊病者のようなものです。夢は追いかけるのではなく、体験しちゃえばいいのです。そう、夢を追うのではなく、夢を生きる!私たちの真我は、神の世界からこのマーヤの世界に遊びに来ています。目の前に起こることはすべて神の遊戯(リーラー)なのです。大変なことも辛いことも、すべてマーヤの世界で用意された神の遊戯に過ぎないわけですから、夢の中で自由に遊ぶように、マーヤの世界を楽しみつくせば良いわけです。まさに現実世界で夢をコントロールする明晰夢のように。目の前のことを我を忘れて味わい尽くすことを無我夢中というのではないでしょうか。無我つまり、そこにはエゴはありません。そうすることで、真我を知る道しるべになるのではないかと、私は思うのです。

そんなわけで、私の夢を実現するためのプロジェクトを宣伝させてください(^▽^)/
「いのちの循環を絶やさない暮らしの実現のためのヨガ・アシュラムを立ち上げたい」
クラウドファンディングに初挑戦!!



2026年5月頃のヨガスタジオ・リニューアルオープンを目指して、今年10月までに、現在借りている古民家ヨガ・スタジオを、茶畑・果樹園を含む宅地とともに購入し、持続可能な暮らしを提案するヨガ・アシュラム「シャンティ・アイ・ヴィレッジ」を立ち上げるための資金や仲間を集めたい。シャンティとは、サンスクリット語で内なる平和を意味します。自然と調和した暮らしの中で、深く呼吸して生きる喜びを、多くの人に感じてもらいたい。内なる平和を、この場所から発信していきたい。
【こんな方におススメ】
●自然の中で伝統的ヨーガを学んでみたい
●茶摘み、ブルーベリー、キウイ狩りなどの収穫体験をしてみたい
●無農薬白川茶を飲んでみたい
●日本の山の水、森、野生動物の暮らしを守りたい
●自然が大好き
●何か地球のために貢献したい
●MOMOの話に共感する
●ただMOMOを応援したい
このプロジェクトに興味があれば、ぜひ、上記のリンクをチェックしてみてくださいね😊

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