氣とプラーナ

梅雨に入りましたね☔

雨の音や雨の合間に差し込む日の光や鳥のさえずりが気持ちいい季節です😊

「気持ちがよい」「気が晴れる」「気分がよい」など、日本語には「気」という言葉で表現されるものがたくさんあります。

「気が合う」「気のせい」「気づく」「気がある」「気にする」「気がきく」「気まずい」「気配り」など、普段何気なく使っている言葉「元気」「強気」「弱気」「本気」「やる気」「病気」「霊気」「気力」「気分」「気質」「気配」などもそうですね。

「気」って何でしょうか?

「気」とはエネルギーのことです。

戦前は「氣」という字が当てはめられていました。米という文字は、四方八方に広がって放出する、という本来のエネルギーの流れを表したものです。

「氣」は人間の本体である霊魂とも言えます。目には見えないけれど、誰にでも感じる事ができます。

「~な気がする。」ってよく言いますよね。

日本人は違和感や安心感、しっくりくる感覚や気まずい感覚などの直観を知らず知らずのうちに使っています。「空気を読む」というのも日本人の特徴ですよね。(最近は空気を読めない人が増えているようですが、直観力が鈍ってきているんでしょうか?)

一方、中医学で言う「氣」は、体内を流れるエネルギー活力の事を言います。

成長促進、活力を旺盛にする作用である「元氣」

病気(邪気)に対する免疫力、抵抗力、治癒力などの機能である「正氣」

経絡の経脈を流れる「経氣」

などで、これらを人の氣と言います。

中国思想では大宇宙を「太極」と言い、太極に満ちている氣を天の氣、大地に満ちている氣を地の氣と言います。大宇宙の氣は陰と陽に分かれているため、人の氣も同じように考えます。人の氣は地の氣や天の氣と密接に関わっています。

サンスクリット語では、氣をプラーナと言います。日本語で気息と訳されますが、インド哲学では、気息は人間存在の構成要素である地、水、火、風、空の中の風の要素、呼吸であり生命力であると考えます。

呼吸の役割は2種類あります。

ひとつめは、物質的側面の呼吸で、太陽エネルギーからビタミンなどの必要な養分を受け取り、血液や脳に酸素を運ぶ役割。

ふたつめは、エネルギー的側面の呼吸で、感情や意識に影響を与え、生命力を広げ、生き生きとした状態を作るためにプラーナをコントロールするための役割です。

プラーナは、森羅万象を生み出し、成り立たせているパワーであり、あるゆる力の源、宇宙の根源的エネルギーです。

呼吸は吸う息より、吐く息が重要と言われます。人は吐いて産まれ、吸って死んでいきます。生きるとは、吐く呼吸ができる、ということです。つまり、吐く息で宇宙のエネルギーを受け取ります。吐く息は自然治癒力を高める生命力そのものであり、それはつまり神の息吹なのです。

ヴェーダ哲学において、プラーナは光エネルギーであり、アートマン(霊魂・生命の根源・真我)なので、プラーナをイメージするという事は、光を感じることでもあります。

プラーナの通り道はナディ(中医学の脈管)であり、プラーナの座とされる場所をマルマと言います。プラーナの座とは、プラーナが集まってくる場所のことで、ツボに近いものです。(ツボがピンポイントであるのに対し、マルマは範囲が広いため)

マルマは身体中に107個あると言われ、マルマを傷つけると生命力であるプラーナが抜けて、心に強く影響を与え、場合によっては死に至ります。古来、マルマというのは武術における急所とも言われる場所だからです。北斗の拳の「オマエはもう死んでいる。」というやつです。

マルマとマルマをつなぐ経路がナディです。ナディが滞ってもつれる場所をマルマと呼び、特に大きい大マルマをハタ・ヨーガではチャクラと呼びます。マルマ、ナディ、チャクラはプラーナが流れるエネルギー回路であり、思考と行為を決定づけるサイキック・チャンネルであるとも言います。

ヨーガの呼吸法においてプラーナをコントロールする方法がプラーナ・ヤーマです。

約千年前に、ゴーラク・シャナータによって体系化されたハタ・ヨーガによれば、プラーナをコントロールすることで、潜在意識、潜在能力の開発、自己実現、願望実現、幸せ実感、霊感、サイキック・エネルギー、霊性の成長に大きな効果があるとされます。

インド文化、サンスクリット研究家である伊藤武氏の「図説 インド神秘事典」には、プラーナ・ヤーマのひとつである「カパラバーティ」はLSDのような幻覚作用をもたらす、とあります。

カパラバーティは頭蓋骨の内部に意識を集中させるため、頭蓋骨を光らせる呼吸法とも言われます。このプラーナ・ヤーマを繰り返し行うことで、脳が虚血状態に陥り、日常的な意識を紡ぎだしている大脳新皮質が静かになり、それまで抑えていた深い潜在意識の世界が現れてくる、と言います。ただし、しっかりしたグル(師匠・指導者)のもとで行わないと、地獄を見ることもあるとか。

私はカパラバーティをやると、とても深い呼吸ができるようになるし、息止めも長く行うことができるようになり、瞑想の前に行うと集中力が増すのでよく行っていますが、未だ地獄を見たことはありません( ´艸`)

身体の中のプラーナの流れが滞ると、不調になると言われていますが、プラーナがスムーズに流れなくなる原因は、食生活やストレス、不摂生による氣の乱れからで、特に感情面はプラーナの流れを阻害します。怒りや不安、イライラした感情などはなかなかコントロールしずらいものですよね😢

プラーナの流れを促進させるためには、意思の力が重要になります。イメージと集中力です。

そうは言っても・・・(-_-;)ムズイ

意思の力は超人でもないかぎり、いきなり身につくものではありません。そこで凡人のための意志力をつける方法がヨーガのプラクティス(練習)です。

ヨーガのプラクティスのひとつに「アビヤーサ」と言われるものがあります。アビヤーサとは、実践、修習、習慣化、つまり繰り返し練習するという意味です。毎日、5分でも10分でも、コツコツと続けていくことで、いつのまにか意思の力が働いて、集中力が身についていきます。

呼吸法や瞑想は、感情面を落ち着かせ、繰り返しプラクティスをすることで、自分自身の感情の動きを客観的に見ることができるようになるので、特に感情のコントロールに効果的なのです。

プラーナがバランスよく流れていると、身体の健康はもとより、感情や心のコントロールもできるようになり、潜在的な能力が開発されていきます。前述のサイキック・チャンネルが開いてくる、という怪しい話。笑。でも、実際、古代のシャーマンたちは、息の仕方で変性意識に入ることを知っていて、大真面目にこれをやっていたわけですから、ただの怪しい話ではないんです。

超能力が開発されるかどうかは別にしても、呼吸法(プラーナ・ヤーマ)で、怒りや不安感がなくなり、心も身体もいつもベストの状態でいられて、毎日が幸せでいられるなら、やらないよりやった方がよいと思いませんか?しかもセルフケアで出来ちゃうのです。(これは私自身が実証済み!)マジおすすめです。

ハタ・ヨーガでは、肉体や精神をコントロールするために、多くの呼吸法が編み出されました。普段、私たちは、呼吸を意識して生活していないことが多いのですが、実は、息ることこそ生きるということであり、肉体を制するものは精神であり、精神を制するものが呼吸である、と言えます。

経典ハタ・ヨーガ・プラディピカーではこう言っています。

「息が迷えば、心も乱れ、息が静まれば、心も鎮まる。」

日本でも、インドでも、あらゆるネイティブの人々は「氣」が呼吸の主体と考えていました。生命現象とは「氣が宿る」ことでもあると知っていました。

ヨーガでは、身体を三重構造に分けて考えます。

①粗大神(ストゥーラ・シャリラ)内臓、筋肉、血液、骨など物質的な肉体

②微細身(スクシマ・シャリラ)ナディ・チャクラ・プラーナからなるプラーナの身体

③原因身(リンガ・シャリラ)真我・魂

空気を粗大な風と言い、プラーナを微細な風とも言います。

プラーナの身体とは、スピリチュアルな世界ではアストラル体とも言いますが、五感で感じることができない、目に見えない身体のことです。例えば、ウィルスや菌なども目に見えませんが、たしかに存在しています。微細身もそんな感じだと思ってください。目には見えないけれど、確かに在るエネルギーの身体です。プラーナの身体の中心にあるのが原因身で、プラーナの本体であるとも言えます。

ハタ・ヨーガの行法は主に、この微細身に働きかけます。ゴーラク・シャナータのハタ・ヨーガの理論では粗大な身体の病気に対して、微細なスシュムナー(背骨に流れるエネルギーの幹線通路。中央脈管)を意識することで病気を治療します。

「すべての秘密は背骨にあり。」と説かれるほど、ハタ・ヨーガではスシュムナー・ナディを重要視します。スシュムナー・ナディの両側には、イダー(月の道)とピンガラー(太陽の道)があり、この3つのナディにプラーナを流すために生まれたのがハタ・ヨーガの行法です。

日本人は、このような理論や哲学を知らなくても、何となく日常的に氣の神秘を知っていたように思います。日本人が何気に使う数々の言葉や風習から、それを感じることができます。

例えば、昔の日本人は農作業の合間に山に入ってぼうっと座り、森林浴をしていた、と言います。これは、森林から発せられるフィトンチッドによって人の心が癒されるだけでなく、人が森に入ることによって森も癒される、ということを知っていた、と民俗学では言われています。

また、草木染めの衣は、ただ単に着色のためだけではなく、植物のエネルギーを衣に感染(うつ)すための呪術であったとも言われます。

風に舞い散る桜の花びらを見て、水に漂う1本の松葉を見て、雨の後の梢に残る雫を見て、しんしんと降り積もる雪の中に咲く一輪の椿のつぼみを見て、風情を感じる日本人の豊かな心がそれを物語っているように私には思えます。

人の氣が整えば、自然とまわりの氣も整うということをわかっていたんですね。そう考えると、ひとりひとりの発する氣がいかにこの世界に影響を与えているかがよくわかりますね。現代社会に生きる私たちが、昔のような情緒を取り戻すのは環境的に難しいかもしれませんが、せめていい呼吸でいい氣を出していきたいものです。

AUM SHANTI 弥栄 😊

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