アーユルヴェーダと民間療法

秋も深まる今日この頃、いかがお過ごしですか?

山では秋の七草が日本の情緒を醸し出していますが、いよいよ秋の土用に入ります。土用を過ぎれば立冬。この間まで暑い暑いと言っていたのに、あっと言う間に冬がやってきます。

季節の変わり目、特に秋土用は、夏に溜め込んだ毒素が出やすく、体調を崩しやすい季節。秋土用は五行説では「金」の氣と「水」の氣のバランスを取る時期と言われ、特に「金」の氣が旺盛な秋は「水」の氣を取ると良いとされています。

金の氣が強すぎると肺や皮膚が乾燥しやすく、呼吸器系の症状・肌荒れも起こりやすくなり、水の氣が不足すると、腎や骨が弱くなって尿量が減り、腰痛や関節痛が起こりやすくなります。金の氣を和らげ、水の氣を補うには青魚や青菜を食べるのが良いと言われます。サンマの美味しい季節ですよね😊

てなわけで、今回はセルフケアのお話☆彡

子どもの頃、虫に刺されると、おばあちゃんがそこら辺に生えているヨモギやタンポポなどの葉っぱをちぎって手で揉み、刺されたところにそのエキスを塗ってくれました。蚊にくわれてかゆい時には、スイカの皮でこすると、不思議にかゆみが止まりました。頭が痛いと言えば、梅干しをこめかみに貼られ、風邪を引けば、おでこや足の裏に切ったキュウリを貼られ、熱が出た時には、大根おろしの汁を飲まされました。お腹が痛むときは、しょうがの湿布をしてもらいました。

これらは、家にあるもので応急的に治療する民間療法です。

あの頃、富山の薬売りが一軒一軒家を訪ねては、専用の薬箱に切らしている薬を足していって、薬箱には正露丸や熊の胆、陀羅尼助など、漢字で書かれた和漢の薬がたくさん入っていました。虫歯が痛い時、正露丸を歯につめられ、丁子の辛い味が嫌でよく逃げ回っていたのを覚えています。

私の子ども時代は、ちょっとした病気やケガで医者に行くことはほとんどなく、大抵は民間療法と富山の薬で治していました。

小学校高学年の時、膝に水が溜まって母が入院しました。リュウマチの初期症状でした。初めて大きな病院に行った時の、独特な薬品の匂いをよく覚えています。また、生まれて初めて母のいない生活を体験し、病院に母を盗られたような怒りにも似た嫌な気持にもなって、それがトラウマになったのか、病院があまり好きではなくなりました。特に、あの薬品の匂いが。

入退院を繰り返すも、母の病いはなかなか良くならず、その時に治療に通っていた整体師のすすめで、母は玄米菜食を始めることになったのですが、当時の玄米菜食は今とは違い、味のないクラッカーや鳥の餌のような野菜のおかず、薄い味噌汁、硬いご飯、と、美味しいとは言えないものばかりで、母も家族もひと月で音を上げてしまいました。

母はステロイドで病状を抑えていましたが、やがて痛み止めのモルヒネを処方され、モルヒネを服用するたび、心臓があぶる、と言っては机に突っ伏していました。そのため、ニトログリセリンが手放せなくなりました。まさに薬漬けの生活です。

そして遂に、腎臓が侵され緊急入院。その時の担当医は食事療法で治る、と言ってくれたため、再度食事を見直して、退院後は再び玄米菜食を始めました。私は、食養生の第一人者、故東条百合子先生の「自然療法」を参考に、食事療法や手当法を母に実践しました。母の病状は少しづつ改善に向かっていました。

何より、一緒に食養生をしていた私がとても健康になっていきました。もともと肉が苦手だったこともあり、東条先生の食事法がとても自分に合っていたように思います。それに、子どもの頃、おばあちゃんの民間療法に散々お世話になっていたので、手当法もすんなりと受け入れることができました。

母の方は、と言えば、いつの間にか担当医が変わって、私の知らない間に透析患者になっていました。それを知って、私は散々病院に掛け合いましたが、父と本人の同意があったことと、一度透析を行うとやめることが困難だという理由であしらわれ、食養生も手当法も出来ず、亡くなるまで透析を余儀なくされました。その透析治療に関して、後から、病院と医療機器メーカーと保険会社の癒着を知って、私がますます病院不信になったのは、言うまでもありません。

そんなある日、私はインド文化研究家の伊藤武先生の「身体にやさしいインド」という本に出会いました。インドに旅立つ3か月ほど前のことでした。インドに関する本を探していた時に見つけた、伊藤先生の初めてのインドの旅の記録を綴ったものでしたが、その内容は普通のインド紀行本とは違い、イラストレーターである著者の味わい深いイラストとともに、インドの奥深い魅力を満載に紹介したもので、後にサンスクリット語をライフワークとする伊藤先生独特の解釈で、その思想や生活観をリアルに、事細かく、観察、研究しておられ、私のインド旅のバイブルとなった一冊です。

中でも、特に興味深かったのは、「生命の科学~アーユルヴェーダ」の章でした。

「意識を含めた人体と、環境=宇宙との調和。

それがすなわち健康であって、乱れると病になる。

インドの医師は患者のからだの奏でる音楽を聴く。

不調を見い出すと「三本の弦」のチューニングにかかる。

その方法はいろいろだが、古来最も重視されているのが食事である。

なぜなら、環境は食事に収斂されて人体に摂りこまれる。

それゆえ「食」こそが医薬の、また、毒の典型であるからだ。」

                   伊藤武著 「身体にやさしいインド」より引用

アーユルヴェーダとは、インドに古来から伝わる伝統医学のことです。紀元前1,000年~500年頃に編纂された聖典「ヴェーダ」のインド哲学の源流である奥義書「ウパニシャッド」を源流に、紀元前5,6世紀に体系化された、と考えられています。生気、寿命、生命を意味する「アーユス」と知識、学を意味する「ヴェーダ」を複合し、「アーユルヴェーダ」と言います。

アーユルヴェーダは、医学のみならず、生活の知恵、生命科学、哲学の概念が含まれており、病気の治療と予防だけではなく、よりよい人生を目指し、健康維持や健康増進、若返りや人生の幸福を追求する学問でもあります。

アーユルヴェーダの根本理論は、「トリ・ドーシャ(3つの体質)」と呼ばれる、3つのエネルギーのバランスが崩れると不調になる、と考えます。

トリ・ドーシャとは、物質の背後で身体を動かせているエネルギーのことで、それぞれ、宇宙の五大元素である「地・水・火・風・空」に対応しています。

地と水に対応するドーシャはカパ=泥水

水と火に対応するドーシャはピッタ=火

風と空に対応するドーシャはヴァータ=風

ドーシャが正常な状態では、生命を維持し、健康を守るエネルギーですが、バランスが崩れ、一方が増大すると、不調を引き起こす、と言われます。

カパの増大は気管支疾患や糖尿病、肥満、関節炎、アレルギー症状を、ピッタの増大は消化器系疾患や肝・胆・膵疾患、皮膚病を、ヴァータの増大は呼吸器疾患、精神神経疾患、循環器障害を引き起こす、とされます。

ドーシャのバランスを崩す原因はプラクリティ(体質)や日常生活などが挙げられますが、特に体質面では、先天的、後天的に各ドーシャの強さが異なるため、各人の体質に合わせた食事法や生活、病気の治療法があります。ご自身の体質を知っておくと参考になると思います。

また、健康維持のためには、ヨーガが最適です。

関節をよく動かせば、ナディ(経絡)の詰まりが取れて、血流が整います。

立ちポーズは、下半身の筋肉を鍛え、血を心臓に戻し、血液循環のポンプとなります。また、血のめぐりが良くなるため、冷え性が改善され、代謝が変わります。

逆転のポーズは、肩の血流を整え、血圧が下がり、心臓の鼓動が落ち着きます。また、副交感神経が高まって、気の流れも整えます。

それぞれのアーサナ(ポーズ)は、背骨を整える目的があります。猫背などの圧迫された姿勢は、消化やデトックスが出来なくなり、内臓に負担をかけます。背骨が整うと、ナディの流れも良くなり、姿勢も良くなります。姿勢が悪いと、呼吸が浅くなり、全身の細胞に酸素が取り込めなくなり、不調になりますが、良い姿勢は肺の位置が正しくなり、呼吸も深くなります。深い呼吸は自律神経が整い、感情のコントロールができるようになるため、精神状態も安定してきます。

プラーナヤーマ(呼吸法)は、呼吸器官や血液の浄化をし、自律神経失調症、不安、ストレスの軽減に効果があり、心臓病や高血圧、胃酸過多、不眠などの症状が改善される、というデーダがあります。また、新陳代謝を活発にし、老廃物や毒素を流しだすため、内臓の活性化にも役立つ、と言われています。

番外編として、私がインドを旅していた時の面白いエピソードを付け加えておきます😉

インドの旅の最後にとんでもない事が起こりました。

オールドデリーの駅に着いた時、子犬の鳴き声がして近づくと、生まれたばかりの子犬たちが駅の片隅で鳴いていました。かわいい!触りたい!そう思って手を伸ばそうとした瞬間、わずかな動きを察知した母犬が飛び出してきて、私の足に嚙みついたのです。思わず足を引いてしまったため、牙で皮膚が切り裂かれ傷口から血が滴り落ちてきました。

列車が発車する1時間前の事。インドのビザが切れる一日前だったので、翌日までにネパールとの国境の町スノウリにたどり着くためには、ゴラクプール行きのその列車にどうしても乗らなければなりませんでした。痛くて歩けないし、その場にしゃがみこんで途方に暮れていると、駅前にいたリクシャのおじさんが駆け寄ってきて、「ノープロブレム。あの犬はファミリードッグだ。狂犬じゃない。」と言って、私を近くの露店のチャイショップに連れていきました。

チャイショップのお兄さんに何か言うと、お兄さんが熱々のチャイを持ってきてくれ、それを飲め、という仕草をしました。私がチャイを受け取ると、リクシャのおじさんが「15分」と言う。わけがわからにまま頷き、チャイを飲んでいると、別のリクシャのおじさんたちがやってきて、いきなり私の両腕を机に押さえつけました。私は襲われるかと思い大声をあげると、リクシャのおじさんはまた「15分!」と言って、チャイショップのお兄さんが渡した何かを、私の傷口に塗りだしました。両腕を押さえつけられたまま、恐怖と痛みで叫び続けること15分。

しばらくすると、足の痛みが麻痺してきて、私が静かになったのでおじさんたちも手を放してくれて、みんなニコニコしながら私を見ていました。そして最初のリクシャのおじさんが「よくがんばったな。」と言うように、私の頭を撫でて、みんなどこかに行ってしまいました。チャイショップのお兄さんが2杯目のチャイを持って来てくれたので「何がおきたの?」と尋ねると、私の足を指さして「チリ」と一言。私の傷口を覆うようにチリパウダーがこんもりと乗せられていて、出血も止まっていました。

チリを塗られた時、痛みと刺激で私が暴れて逃げないようにみんなで押さえてくれていたことがようやくわかり、チャイの温かさとともに胸が熱くなりました。しばらくチャイショップで休んでいると、ホームに列車が入ってくる音がしたので、立ち上がり、チャイのお金を払おうとするとお兄さんは「ノープレブレム。」と言って受け取ってくれませんでしたが、リクシャワーラーに、と強引にお金を置いて、その場を立ち去り、夜行列車に乗り込みました。

翌朝ゴラクプールに着いた時、傷口は黒い血が固まっていて、痛みもまったくありませんでした。そのままバスでスノウリまで行き、無事ネパール側に入国すると、念のために薬局で消毒して絆創膏を貼ってもらい、感染症も起こすことなく、その後も旅を続けることが出来ました。まさに「身体にやさしいインド」を、身を持って体験することになった出来事でした。おそるべし、インド!

それと同時に、治そうとする力、自然治癒力のすばらしさを見直すことができました。日本で同じことが起きたら、すぐに病院に運ばれていたはず。インドで、見知らぬリクシャワーラーに身をゆだねることが出来たのは、私が子どもの頃、おばあちゃんに治療してもらった民間療法の力を信じていたからだと思います。ただし、私は運がよかっただけ。決して、みなさんは真似しないでくださいね。笑

日本に帰ってからも、よほどのことがないかぎり、病院に行くことはありませんでした。身体の調子が悪くなると、私は断食しています。動物が具合が悪くなると穴に籠って絶食して治すように、私も家に籠って断食して瞑想しています。一日断食するだけで、身体の老廃物や毒素が排出されて、すっきりします。食べるためのエネルギーも使わないので、治癒力が活発になり、免疫力も上がるため、お肌もすべすべに( ´艸`)初期症状なら大抵これで治ります。

そして何より気を付けていることは、気力をあげて、病気を寄せ付けないようにすることです。毎日のアーサナや呼吸法で身体と心に向き合って、よく話し、よく笑い、よく歌い、腹八分目の季節の食事とたっぷりの睡眠(安眠を妨げるスマホは枕元におかないようにしています)。朝日や月の光を浴びて、土に触れ、ワンコと山へお散歩。寒い夜は薪の火で暖まり、暑い日は窓を全開して風を通し(うちにはエアコンありません)、お風呂はいつも腰湯で汗をかくようにしています。それでも調子が悪くなったときは、断食や食養生やアーユルヴェーダ、お手当や漢方薬。時には鍼灸のお世話になることも。

現代は医療技術も発達して、様々な病気の治療法が見つかっている一方で、過剰な薬物療法や薬害で苦しんでおられる方も増加しています。私の母のように、新しい医療機器の実験台にされるケースだってあります。私がインドで体験した過激な治療法をお勧めするわけではありませんが、医療にお金をかけず、太古の知恵と自然の叡智で、いつでもセルフケアできる、ということは知っていて損はないと思います。

私も高齢者の仲間入り。子どものころ、私を手当してくれたおばあちゃんの年に近づいてきました。私も老後は、おばあちゃんのように健康寿命を延ばして、誰にも迷惑かけず、ぴんぴんコロリを目指したいと思っています。

Shanti Shankar🌈

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